毎日のように罵られ | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

毎日のように罵られ

俺はいったい何なのだ。



顔を見るたびに、罵られる。

「どうせ遊んでいるんだから、車の運転してよ」

といわれ、買い物に出かけた。

運転手である。

助手席で妻は、腕組みをして、前方を見据えている。

車が飛び出してきた。

俺は思わず急ブレーキを踏んでいた。



「危ないじゃない!まったくもう!いつも、横ばかり見てるからよ!」




横など見ていない。

それに突然、車が飛び出してきたのだ。

俺のせいじゃない!

よく反応した。そう褒めてもらいたいくらいだ。

おれも、むっとしてそれから、口を噤んだ。

こんなやつと、話したくない。


ショッピングモールまで、無言である。

妻は、自分の見たいものだけを見て周り、俺は下僕のように

その後をついてゆく。



「どこか見たいものあれば、見てくれば」

「ないよ」



即答だ。

その日も、心の平穏はなかった。