俺ならできる | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

俺ならできる

朝目覚めてから、布団を這い出すまでに30分はかかった。

それから、風呂に入り簡単な身支度をして家をでる。

毎日が不安と渇望で身動きができなかった。

毎日娘ことを思い出し、その度に、身を引き裂かれた。

娘のことを思い出せば、落ち込むとわかっていても、

それを止めることなどできなかった。

娘は元気だろうか?

確かめるすべはなかった。

背も伸びたことだろう。

容姿もかわってしまっただろうか?

私の記憶にある娘は、もう、過去のものだ。

逃げ出したくなるが、逃げるところなどどこにもなかった。

私は鏡を見て、

自分に言い聞かせた。

「俺ならできる」

そして、

今日も

明日も