日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -336ページ目

女の子マーク のハンバーガー屋

会社で打ち合わせの帰り、ハンバーガー屋で、

390円のセットを頼んだ。

妻は実家だ。


一人を満喫している。

たまにはよいだろう。

こうして一人、自由に過ごす時間も。




実は、390円の出費は俺にとって、決して少なくはないのだ。


普段ならば、迷わず105円のハンバーガーを買い、

その足でスーパーで行き、80円位の飲物を買う。

こうして、思い切って390円も叩いてしまうのは、


あることを確認する為なのであった。




飲み終ったカップを持ち、カウンターへ向かった。



「コーヒー、お代りできますか?」

「かしこまりました。」



ここも、お代り出来るのだな。

心の中で、つぶやいていた。



妻は、これを「ピエロマークのハンバーガー屋」でよくやる。

カウンターに、コーヒーのお代り云々の、記載がなくても、

全店で、お代りが出来るのである。


最初は、はずかしいから、止めてくれと、思ったが、

今では、一つのカップで二人分飲んでしまう。



いつも、節約に心血をそそいでいる妻。


ありがとう。



今度は、家族三人で来よう。

そして、このことを妻に話してみる。

妻は、少しは感心するだろうか?

娘よ。お前まで。

娘は、2歳になる。

やはり、母親命である。



育児書に書いてあった。

赤ん坊は、母親以外はみな他人と一緒である、と。



それを、嫁は喜ぶ。



俺が、娘を呼ぶ。


「いらないよ~」


そういって、妻のところに逃げる。


それが、うれしいらしい。


「ねえ、おとうちゃんは、だめなんだから、ね。」


そんなことは、言うなよ。

葉隠れに、そういう女房は、最低であると書いてあったぞ。



今朝、娘を呼んだ。

またいやだと、騒ぐんだろう。

そう思ったら、意外なことを言って、俺を驚かせた。

「お化けだ!怖いよう!」

・・・・!?

なんで、そんなこと言う訳?

妻が、教え込んだに違いない。



俺と、お化け。


いくらなんでも、間違えないはずだ。

たまにゲームをやって、何が悪い?

今朝、俺の顔を見るなり、いきなりがなりたててきた。



「私は、出かけるから、ゲーム、好きなだけやればいいじゃない!」


何を言われているのか、わからなかった。


「ゲームする時間があったら、私にその時間をくれっていうの!」

「こっちは、切実なのよ。あんたにわかる!」



それから、延々と、自分の恋愛遍歴を引き合いに、 そんなやつは、

いままでいなかったと、怒鳴り続けた。




数日前、友人が来て、ゲームを一緒にやったことを思い出した。

友人が、俺の家を訪ねるのは、稀である。

お互い忙しいのだ。

そんな中、久しぶりに、友人とゲームを一緒にして何が悪いのだ。



そのときも、妻が帰宅して、機嫌が悪いことに気づいたので、

申し訳なかったが、帰ってもらったのだった。



毎日、ゲームしているのなら、言われても仕方のないことと思う。

だが、ゲームなどほとんど出来ないのであった。

久しぶりに来た友人と、楽しい時間を過ごす事も、許されないのか。




本を読んでいても、だめ。

テレビを見ていても、だめ。

ゲームもネットも、だめ。



俺は、何のために、結婚し、何のために働くのか。


妻に蔑まされ、何の自由もない。

刑務所だって、もっとましじゃないのか。



別れる。



そうしたほうが良いのではないか。



その言葉が、頭の中を、過った。